事業概要

経営理念

目的

私たちみんなが自分自身でよく考え、その上で協力して社会を形成していく世界にしたい。

解決策

より多くの人が実際に「人類初」を考え研究してみれば、「考える文化」に大きな効果がある。

事業内容

予算や技能の不足に悩まされず誰もが研究できるようなサービスを提供する。

事業内容とビジョン

ansangaの事業内容は、「お客様と一緒に研究する」です。
これによって「誰もが自身でよく考え、その上で協力して社会を形成していく世界」を目指します。
なぜなら、研究は「人類初をする」ことですので、「知る」だけでは不十分であり、「自身で考える」必要があるからです。
必ずしもansangaだけでなくとも、「プロの研究者が、あらゆるお客様と一緒に研究する」というサービス自体が広まっていけば目標に近づけると考えています。
なお、ここでのサービスとは「形のない商品」のことであって、無料や割引といった意味ではありません。

研究者の方々に、「一緒に研究する」というサービスを提供すると良いこと

異分野融合の促進

分野の異なる人材と研究することは、異分野融合を促進すると考えます。 人材の雇用は容易ではないため異分野の人材を雇用するにはハードルがありますが、 タスク単位で依頼することは容易であるため、異分野の人材と一緒に研究する機会が増え、 異分野融合が促進されると考えられます。 予め具体的に定められた業務委託はもちろんのこと、 「ちょっといつもと違う人を研究に加えてみようか」 といった場合にもお役に立てるのではないかと考えています。

安定な研究推進

安定な職が確保できないために、優秀な研究者が研究の途中で出て行ってしまい、 研究室がもつ技能にポッカリ穴が開いて、せっかくの研究が途中で止まってしまうような状況があると思います。 不安定なキャリア状況の中でその研究者にとってはそれ以外に選択肢はありませんし、 そもそも研究者の流動性も重要ですが、積み上げてきた研究が消えてしまっては明らかに社会的損失です。 職を確保することはできなくても、空いた穴を埋めるだけのタスクの依頼や、 その技能を移転する依頼などが可能であれば、こういった損失は防ぐことができると考えます。

博士キャリアの多様化

研究意欲が強く、研究能力が高いにもかかわらず、キャリアの幅が狭いために、 少しでも能力や価値観のマッチングが悪いと研究により生活をしていくことができず、 その能力を活かせない職につく博士は少なくないと思います。 このような状況に、働く意欲自体を失う博士もいるでしょう。 これは本人にとっても辛いですし、社会的損失でもあります。 例え自分の好きな研究でなくとも、研究自体を職とすることで、むしろ様々な研究能力が伸び、 最終的には自分の求める真理に近づけることも少なくないと考えます。 「一緒に研究する」というサービスが、研究者にとってのキャリアの一つの選択肢として確立されることで、 「博士であればフリーランスでも研究で生活していける社会」に近づき、社会の発展につながると考えます。

自由な研究の促進

現在、「自由な研究」をすることにはたくさんの障害があります。 わかりやすいのは研究費です。 研究費の少ない場合は研究員などの雇用確保などができませんので、やりたい研究ができないことが多いでしょう。 一方で研究費の潤沢な場合は、外から見ると自由で優雅な印象がありますが、実際には責任が非常に大きく、 また現状維持のためにも非常に大きな労力が必要であり、 自由なアイデアを生み出すための「ちょっとやってみよう」ができないことも多いと考えられます。 せっかく成長に成長を重ねて素晴らしい研究者になり、「自由な研究ができるはずのポジション」を獲得しても、 様々な障害により「自由に考えて、自由に挑戦する」ことから離れていってしまうと、 もはやアイデアは浮かばなくなっていくと思います。 これは、その研究者にとってはもちろんのこと、人類としての目的を考えても、良い状況とはいえないと考えます。 上記の「博士キャリアの多様化」や「安定な研究推進」に記したようなことが、この根本的な問題に対する一つの解決となると考えます。

研究者以外の方々に、「一緒に研究する」というサービスを提供すると良いこと

自分で考える社会

人間にとって「知ることと考えることのバランス」は重要だと思います。 しかしこの数十年の間に、生活の中で入ってくる情報が莫大に膨れ上がり、 私達の脳は知識の増加にかける時間に埋め尽くされることを余儀なくされている状況にあると思います。 フェイクニュースやニセ科学などの言葉をよくきくような時代だからこそ、情報を鵜呑みにするのではなく、 ひとりひとりがあふれる情報を自分で考えたうえで自分なりの解釈をもって行動することが重要だと考えます。 研究をすることで、考える癖がつき、各人にとっても情報を有益に使えるようになるとともに、 そういった人が増えることでよりよい社会になると考えています。 この点は重要と考えますので、下部に追記しております。

信頼のある社会

しっかりした研究に基づいた商品は信頼を得ることができると思います。 現在でもそうですし、上記のような「自分で考える社会」になっていけば、さらにそうなるでしょう。 しかし研究にはお金がかかるため、例えば大企業などしか研究できないのが現状だと思います。 一緒に研究するサービスがあれば、予算的にもより研究が身近になり、 中小企業でも研究に基づいた商品の販売ができるようになります。 これにより、社会に存在する商品のクオリティが全体的に上がり、信頼のある社会に繋がると考えています。

研究の促進

研究は研究者だけのモノ、とは考えていません。 いまや特別に高度な知識や技能が無くても観測できるようなツールがたくさんあります。 またプロフェッショナルではないからこそ、研究対象のことを深く理解している場合もあると思います。 そして何より、プロの研究者の人数よりも、そうでない方々の人数のほうが圧倒的に多いですので、 全体が協力することで、革命的に研究が促進する可能性があります。 なお研究の促進は、例えば「もっと便利な世の中に、もっとAIに任せられるようになる」などのように、 いわゆる技術の発展として「人工的で自然から離れていくイメージ」を持つ方もいるかもしれませんが、 こういった発展だけを目指しているわけではありません。 むしろ「自然とは何か?生命とは何か?人間とは何か?そもそも便利とは何か?その便利のためにはどうすればいいのか?」 といった人類の文化の発展を目指しています。 自然科学も、人文科学も、技術体系も、すべて人類の英知です(なお、こういった全体を科学と呼ぶ人もいますし、自然科学のみを科学と呼ぶ人もいます)。

教育の活性化

何のためなのかわからずに勉強するのは辛いことが多いです。 また「大学に入るため」だけでは、大学に入ってからが悩ましいです。 しかし実際には、研究では、数学、理科、情報(2022年から高校で必修化)、英語、国語など、 中学校や高校で学ぶ様々な知識と能力、そのほとんどのものがダイレクトに活きてきます。 よって部分的でもよいので、本格的な研究をしてみることで、自ずと学習意欲がわいてくると考えています。 「いま学んでいること、これから学ぶことは、何にどう活きるのか?」が自分なりに経験から認識できれば、 人生も豊かになるでしょうし、そうやって成長した人が増えれば社会も豊かになると考えています。

※追記: なぜ「自分で考える社会」にしたいのかを説明するための、一例
  例えば、「様々な健康効果がある○○イオン」などのように、よく調べられてもいないのに科学的根拠があるかのような記述のある商品をいたるところで見かけます。 また、関連した話がインターネットを介して瞬く間に拡散し、「嘘と言っている人が嘘つき」といった意見も出てくるなど、 たとえ情報を集めてもどこに真実があるのかよくわからない状況がしばしばあると思います。 こういった情報の錯乱は、○○イオンだけなら多くの場合には大した問題ではないのですが、 稀に重大な健康被害があったり、逆に本当は健康にとって重要な科学的発展があったのにこれに対する過剰な拒否反応があったり、 また同じような原理で政治的な扇動が行われたりなど、社会にとって重大な損失を招く原因となります。 一体どうすればよいのでしょうか?こんな時、以下の二つは役に立つと考えられます。
  ① 一旦情報収集はストップして自分で考えてみる。「様々な健康効果がある○○イオン」の例であれば、 そもそも様々な健康効果があるということは、例えば何かの物質によって脳や体に様々な影響を与えているという事でしょう。 その様々なことが、全て「良いこと」である可能性がどれぐらいあるのでしょうか? 例えば「パソコンの中身の様々な部分に水をかけたり振動を加えたりする」といったように、 複雑でよくできた物の様々な部分に様々な刺激を与えて、良くなる場合の方が多いのでしょうか? もしかしたら良くなるのかもしれませんが、「むしろ悪くなる」可能性も考えたほうが良さそうです。 そもそも免疫などによって非常によくできたシステムである私達人間に、 (栄養としての食べ物や、作用と副作用などピンポイントの効果がわかっている薬ならまだしも)、 様々な刺激を加えて全て良いことが起こるというのは都合が良すぎるかもしれません。 こう考えると、「本当に物凄く効果がある」だったら逆に副作用が怖いと考えることもできるかもしれません。 でもさらに考えると、「そんなもの売れないので大丈夫だろうな」、とも思えるかも。 結果、よく考えてみると、あまり情報を調べなくても、 「○○イオン製品は、もしかしたら良い効果があるかもしれないけども、おそらくあってもなくてもあまり変わらないぐらいのものなんだろうな」、 という思いに至る人は多いのではないかと思います。 ここまできた上で「おそらく無意味だが試してみようか」と思うのであれば、 それは騙されたというよりはむしろ、個人で考えた上での選択、なのかと思います(結果として効果が無かったとしても)。
  ② 情報源がどこなのかを調べてみる。もし世界中の人間の様々な健康に役立つようなものなら、 その発見の人類への貢献は計り知れません。 恐らくその発見は有名な学術論文として公表されており、関連研究も世界中でたくさんあることでしょう。 いまや学術論文の多くは世界中からネット上で無料にて読むことができるので、 素晴らしい発見なら無料で情報源を特定できることが多いと思います。 逆に、学術論文が見つけにくいとか、あったけど10年たっても日本人がちょこちょこ出しているだけ、 のようなものだったらば、恐らく「効果が全く無いのかどうかはわからないけど、 今のところ多くの研究者が試したくなるほど価値のあるような効果はない」と考えて良いと思います。 すなわち、やはり「おそらく無意味」、でしょう。 しかしこの作業は難しいです。まず、学術論文は英語です。 次に、学術論文を読むための知識が必要です。 ただし、実はここで求められるものは、学術論文の内容を理解することではなくて、 ちゃんと研究されているのか、という話ですので、実際には学術論文の内容を深くまで読まなくても、 おおよそ目的は果たせると思います。 英語も「ペラペラ」である必要は全くありません。 少しの英語の能力と、学術論文とは何か、何がどうやって書かれているのか、どうやって検索するのか、 怪しい学術雑誌とはなにか、ということが少しわかっているだけで、それなりに判断することができます。 上記の①と比較すると、技能的に高度ですが、全く無茶なことではありません。 そしてこれを多くの人ができれば、もはや研究は研究者だけのものではなく、かなり社会全体も変わっていると思います。
  ①や②はどうやって可能になるでしょうか? ansangaの答えは簡単で、自分でよく考えて研究し、情報源になってみればよい、です。 さらに、そうして①や②ができるようになった人が、周囲の人にも伝えることで、どんどん拡散していくと素晴らしいと思っています。 「よく考えるとおかしい情報」を発信する会社はどんどん信頼を無くすでしょう。 また同様に、「よく考えるとおかしいこと」を言っている政治やそれをサポートする団体も信用をなくすと考えらます。 私達一人一人が、もう少しだけ考えるようになるだけで、社会全体がよりよくなると考えます。

代表挨拶

細田一史
はじめまして、代表の細田 一史(ほそだ かずふみ)です。

ansangaを始めたにはいくつか理由があります。
ansangaを始めるまで、私は大学教員のみをしていました。研究と教育がしたいからであり、これは今も全く変わりません。
ansangaの経営理念と同様に、「よりよい世界」を目指して、日々研究と教育をしています。(自分が信じているところの、より良い世界、でしかありませんが)

しかし、大学教員としてのみだけでは、目標とする世界は達成できないように感じています。
もちろん私も自分を信じて努力していますが、一方で、私一人の力が非常に小さいこと、そして私より優秀な人が無数にいることは明らかです。
また、優秀なのにその能力が活かせない人や、狭い価値観の中だけで教育を受ける学生などをたくさん見てきました。ここには書ききれないほどたくさんの問題もあります。
よって、経営理念にあるようなことを目標として、2019年4月にansangaを始めるに至りました。

このタイミングである直接的なきっかけとして、異分野を融合できる博士リーダーを育てるための大阪大学の教育プログラム
「ヒューマンウェア(大阪大学ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラム)」
の存在があります。
これは文部科学省が現在の問題と未来を見据えて始めた事業の一環であり、 2013年に大阪大学の分野の異なる3つの研究科と、名だたる企業の協力により始まりました(2019年現在の大阪大学総長が起点となって)。
私はansangaを始める直前まで教務委員長としてこのプログラムの構築と運営に従事していましたが、 この中で、教員、企業、外部講師の方々、そして優秀な学生達から、むしろ多くのことを学び、影響を受け、成長したと感じています。
私が主体の研究ではなく、学生が主体となる研究のサポートに回って学術論文までもっていく経験や、 企業の方々の社会に対する考え方、そして若い学生の新しい価値観は、直接的にansangaを始める考えに繋がっています。
また、このansangaでの事業の経験は、そのまま教科書的にまとめて学生に見せることにしています。
すなわち、ヒューマンウェアがなければansangaを始めていなかったでしょう。ヒューマンウェアに直接的および間接的に関わった方々に心より感謝しております。
このヒューマンウェア、それを卒業した修了生、現役の学生、そしてヒューマンウェアに携わる教員、企業、外部講師の方々にも 是非ご注目していただけましたら嬉しく思います(是非ヒューマンウェアの公式ホームページをご覧ください)。

名前の由来

 ごらんの通りかもしれませんが、「あんさんが研究舎」は、「あなたが研究者」との掛詞になっています。 プロの研究者であっても、そうでなくても、皆様がご自身で考えて、人類初の新しい知識を生み出す立場になってほしい、 それによってよりよい社会になってほしい、という思いで最終的にこの名前に決定しました。
 「あんさんが研究舎」という名前にたどり着くまでの経緯は驚くほど個人的ですが、以下のようなものです。 まずは、名誉会長である猫のお名前「銀」にちなんだ名前にしたいというところから考えました。 ansangaのロゴの最初の『a』は、銀名誉会長を表現しています。 またansangaでは私が主体となるような研究ではなく、お客様が主体の研究であることから、「いぶし銀」の意味を込めたいと思いました。 ここから、「いぶし銀」すなわち「縁の下の力持ち」、英語で「Unsung hero」、さらに銀の「Ag」と、 サンスクリット語で「Satsanga(真の人々と付き合うこと)」を混ぜて、ansangaとしました。 実は同時に、「事業内容がわかりやすいほうが良い」ということを出発点として、 とある歌へのオマージュから「誰もが研究者」という案もありました。 さらに、「いろんな人の学びの場(学舎)にしたい」という思いや、 「せっかくなので正式名称は日本語で、かつ掛詞のような遊び心も欲しい」という思い等も盛り込むだけ盛り込んで、 「あんさんが研究舎」にしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。